会計ルールは未来志向で進化して来た!これからの会計の未来を大胆予測。
会計基準とは、会社が自らの家計簿や財産表を作成するためのルールです。国によってルールは違います。
先日会社見学に来た中学生に、「会計基準って何?」ともしも聞かれたならこう答えたでしょう。そんなことを聞いて来る中学生がいたら焦りますが...。
会計基準はビジネスを行う上で最も身近で大切な法律であるとも言えます。
この法律も時代と共に変化しています。
今回は会計基準の歴史と現在、そしてこれからどうなっていくのかをざっくり話していきたいと思います。
会計の考え方が誕生したのが、15~17世紀頃。当時は、現金の出入りを基に費用と収益を認識する現金主義の考え方からスタートしました。
その後、産業革命以降世界的に活躍する企業が出て来て、その信用を基に取引を行う信用取引制度も発展して来ました。また、企業にに投資する投資家の存在も大きくなってきました。
投資家たちは将来儲かりそうな企業を判断するための参考資料として年間の経営成績を記す損益計算書を重視するようになります。そこで、より企業の実態を正確に捉えるために年間の損益を現金の出入で捉えるのではなく、取引が発生した事実に基づいて費用、収益認識を行う発生主義が求められるようになります。これが発生主義の誕生です。
発生主義と現金主義の考え方を整理してみたいと思います。
例)お客さんに品物を売ります。売掛で売るため、品物渡してから20日後に入金。
お客さんに品物を引き渡した時点が取引発生時点。発生主義はこの時点で売上認識します。
20日後にお金が入ってきます。現金主義は入金時に売上認識をします。
発生主義は現金主義より早い時点で企業の収益を計上します。つまり、より早い段階で企業の業績を把握することができます。
では、現在の会計基準はどうか?
- 発生主義がベース
- 時価会計が導入された。金融商品、例えば上場株やデリバティブは今現在の相場価格で時価評価して実態価値を帳簿に反映することになりました。
- 売買契約に基づく損益を取り込むことができる(※米国会計基準。現物商品の先渡契約をデリバティブとして時価評価する。ただし商品先物等のデリバティブを使ったヘッジ行為を行っている場合のみ)
- 将来発生するであろう費用も見積もって取り込むようになった。例)退職給付会計や資産除去債務等。
現在では3のように商品の引き渡しより前に売買契約が締結された時点で損益を計上することも一部で認められています。従来の発生主義よりも早い段階で企業の業績を把握することができます。
更に、4の将来発生するであろう費用を取り込むというのは、悪い情報は先に知りたいという投資家目線の保守的な考え方が背景にあります。ある意味未来志向ですね。
今後の会計基準はどう進化していくか?
過去の現金主義から発生主義へ変化してきた歴史を考えると、この契約時点で損益を計上するルールは今後世界的に広まっていくのではないかと思います。
また、将来の利益について角度が高く見積もることができれば注記表等で開示していくようになるのではないでしょうか。ビックデータの活用を通して将来の業績予測やシナリオ分析の精度は益々高まっていくでしょう。それをいち早く知りたいというのが投資家の心情でありその声が大きくなれば会計基準もそれに応えるよう変化していくでしょう。
ファイナンスの視点で、はてなブログの価格プランを見てみよう!あなたの知らない世界が見えてきます。
今日は私もお世話になってます「はてなブログ」の有料サービス「はてなブログPro」を題材に、ファイナンスの視点から「はてなブログ」の価格戦略の裏側を見ていきたいと思います。
※ 注意: はてなブログは、儲けを最大化するために期待収益を使った価格戦略をしているという仮説に基づいて話を進めていきます。よって導き出される数字はこの仮説に基づくあくまで参考数値としてご理解ください。
まず、有料サービス「はてなブログPro」の主なメリットから。
無料サービスと比較しました。
- ブログを最大10個作れます(無料サービスは3個)
- アクセス解析がより充実!
- スマホ専用ブログ画面で、Google Adsenseが貼れるようになります。
- 広告非表示。はてなブログが設定した広告を取ることでデザインの自由度も増してスッキリします。
他にもありますので詳しく知りたい方はこちらをチェック。
次にこの有料版の価格設定です。
1ヶ月コースだと毎月1,008円。毎月自由に解約できます。
1年コースだと毎月703円。1年間は解約できません。
2年コースだと毎月600円。2年間は解約できません。
これをはてなブログが受け取るキャッシュフロー(CF)で見ていきます。
1年コース:1年間のCFは8,436円(703✖12)。1年間は解約できないため、確実に受け取れるお金。
1ヶ月コース:1年間続けた場合のCFは12,096円(1,008✖12)。自由に解約できるため、解約率を考えると受け取れると期待できるお金(期待収益)はもっと少ない。
1ヶ月コースの期待収益とは、1年間のトータルCF✖期待収益率で表されます。この場合の期待収益率は1年間は解約しないと期待される率です。過去の解約実績で計算することができます。
会社としては確実に儲けを出していく必要がありますから、1年コースの年間CFは1ヶ月コースの年間期待収益を上回らなければなりません。
つまり、8,436>12,096✖期待収益率
結果、期待収益率は70%より小さいことになります。ということは、1年以内に同サービスを辞めていく人は3割以上いることになります。
同様に、2年コースを見ていきます。
2年コース:2年間のCFは14,400円(600✖24)。2年間は解約できないため、確実に受け取れるお金。
1ヶ月コース:1年間続けた場合のCFは24,192円(1,008✖24)。自由に解約できるため、解約率を考えると受け取れると期待できるお金(期待収益)はもっと少ない。
先ほどと同じように、会社として確実に儲けを出していくためには、2年コースの年間CFは1ヶ月コースの2年間の期待収益を上回らなければなりません。
つまり、14,400>24,192✖期待収益率
結果、期待収益率は60%より小さいことになります。ということは、2年以内に同サービスを辞めていく人は4割以上いることになります。
期待収益を基にした価格戦略は儲けを最大化するためにとても重要です。
稼ぐ経理財務はファイナンスをツールとして使いこなす必要があります。こちらの参考図書お勧めです!
- 作者: 石野雄一
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2005/08/25
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稼ぐ経理財務の実態はこちらをチェック!
就活生は投資家目線でエントリーする会社を選択しよう!
就活生はどういう目線で応募する会社を選んでるんでしょう?インターネットやメディアを中心に色んな角度で世間の会社の情報を得ることができます。だからこそどの情報を取捨選択すべきかの軸を持つことは大切ですね。
転職もひと昔前に比べ一般的になり、終身雇用の時代ではないにしてもどの会社に就職し経験とスキルを得るかは非常に重要です。就職とは自分自身を投資することと言っても過言ではありません。
投資であれば投資対象の会社をしっかりと見極めますよね。大事な自分自身を投資した会社がその後傾いていったり、最悪つぶれでもしたら悲惨です。
ということで、まずは投資家目線で応募先の会社をふるいにかけるための3つのポイントを紹介したいと思います。
- 自己資本比率で応募先の会社の安全度を測ろう!
- 利益率で儲け力を測ろう!
- 勤続年数が極端に短くないか見てみよう!
今回は「業界動向サーチ」を使ってこれら3つのポイントを見ていきたいと思います。
業界動向サーチ-各種業界別ランキング・シェア・動向・順位情報を研究
まずは、”業界一覧”にアクセス。そして、”業界”を選択。次に、”ランキング”を選ぼう!
自己資本比率ランキングで応募先の会社の安全度を測ろう!
自己資本比率とは会社の総資産の内の純資産の割合。純資産とは、負債を支払った後に残る資産のこと。この割合が高いほど安全な会社と言えます。自己資本比率は業界毎に特徴があります。50%以上はまず安全です。50%未満は業界の中でどの位置づけにあるかを確認して判断しましょう。
「業界動向サーチ」では、自己資本比率ランキングを選びましょう!
利益率ランキングで会社の儲け力を測ろう!
利益率とは当期純利益を売上高で割った値です。
利益率が高いほど儲ける力は高いと言えます。純利益は毎年大幅に変動することもありますので、Yahoo!ファイナンスもしくはその会社のHPにあるIR(投資家向け情報)で過去の利益率も計算してトレンドを見てみましょう。業界の中で安定的に高い利益率を出している会社は競争力が有り安全な会社です。
「業界動向サーチ」では、利益率ランキングを選びましょう!
勤続年数が極端に短くないかをチェックしてみよう!
同じ業界の中で勤続年数が極端に短い会社は居心地が悪く辞めていく人が多いということです。この場合、会社の悪い風土や殺伐とした人間関係等様々な理由が考えられます。近づかないにこしたことはありません。
「業界動向サーチ」では、勤続年数ランキングを選びましょう!
安全な会社、職場を選ぶことは自分の経験やスキルをしっかりと積んでいくためのベースとなります。今回紹介したポイントに加えどの要素で会社を選ぶかは本人次第。会社に選ばれるのではなく、自分自身の軸を持って会社選びをしたいものです。
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中間管理職にはなりたくないとか言ってられない!マネージャー以外もマネジメント能力が問われる時代がやって来た。
以前海外のシェアードサービスセンターへのアウトソーシング/インソーシングがグローバル企業の流れであるという話しをしました。
今後海外に経理業務を出した後の経理財務部門の姿としては以下のようになるのではないでしょうか。
- Financial planning & Analysis
- 税務申告や監査対等等、日本の様々な法律、規制に基づくコンプライアンス業務
- 海外シェアードサービスセンターの業務(支払い、入金、月次等締め業務)のパフォーマンスレビュー、サポートとコーチング
3に関しては、日本のスタッフが自分が教えた仕事において海外シェアードサービスセンターのスタッフのパフォーマンス向上のためにモニタリング、コーチング、アドバイスするということです。これを日本が積極的かつ効率を意識して行うことがアウトソーシングプロジェクトの継続的な成功の秘訣です!今回体験してみて強く感じました。
よって、日本のスタッフは以下のマネジメント能力を求められることとなります。
- 海外チームが自ら業務レベルを向上していくマインドと責任感の育成をサポートする。例えば、海外チームが自分で業務のセルフチェックをできるようにセルフチェックリストの策定を促します。そして、間違いがある度に自らがそれを充実していくよう促します。また、問題が起こった時にはまずは自分で考えて解決するよう自立心責任感も求めます。
- 海外チームに対し時には厳しい指摘をすることもあれば、上手く相手を褒めてモチベーションをキープする。アメとムチのバランスがモチベーションキープには大切!ついついムチだけになりがちなので注意。
- 日本と海外チームの関係性を良好に保つための施策を行う。例えば、月中の比較的手が空いている時期に最近のパフォーマンスや改善点について「前向きに」話し合うための電話会議を実施する。お互いのガス抜きをする。
これら全てが従来マネージャーに求められてきたマネジメント能力です。アウトソーシングプロジェクトをきっかけにマネージャー以外のスタッフもマネジメント能力を求められる時代が来ています。
いきなりマネジメントをやるのは恐らく難しいでしょう。ですので、始めはマネージャーが一緒になって取り組み、具体的なやり方を見せる必要があります。
それと同時に日本スタッフのマインドセットも管理者のマインドに近づけて行く必要があります。
日本チームが海外チームを上手くマネージする意識を持ち行動することで始めて自分たちの時間を最大限作り出し付加価値の高い業務に注力できます。マネージャーは付加価値の高い仕事の具体化とその魅力をしっかりと伝えていくことも大事ですね!
外資系企業に存在するパラレルワールドの実態。ちゃんと理解しないと税効果会計間違いますよ。
外資系企業の日本法人には、この絵のように3つ(場合によっては4つ)のパラレルワールドが存在します。ミステリーでもSFでもなく、実際の話し。
すみません、もったいぶらずに種明かしをします。
3つのパラレルワールドとは以下の3つ(場合によあっては4つ)の異なるルールに基づくそれぞれの財務数値のことです。今回は分かりやすいようにP&L(損益計算書)のみにフォーカスして話をします。
- US GAAP(米国会計基準)/IFRS(国際会計基準)
- JAPAN GAAP(日本の会計基準)
- JAPAN TAX(日本の税法)
まず外資系企業は通常親会社と同様の会計ルールに基づいたP&Lで業績管理をします。会計ルールが違うと正しい業績管理ができません。
次に、外資系企業の日本法人であれば会社法監査において日本の会計基準に基づいたP&Lの作成が求められます。
最後に外資系企業の日本法人は日本で税務申告をする義務がありますから、税金計算のために日本の税法に基づいたP&L(損金、益金)算出をします。
では、これらパラレルワールドの数値は全く別物なのか?という質問が聞こえて来そうですが、そうではありません。昨今世界の会計基準や税法は歩み寄りを行っていますので大体は同じです。ですが、やはり歩み寄れない部分はありますのでそれがそれぞれのGAP(違い)となって現れます。
また、このGAPは次のように分類されます。
- 損益の認識の時点が異なるもの。これを一時差異と呼びます。上の時計の絵のイメージです。
- 未来永劫認識の仕方が違うもの。片方のルールでは認識して、もう一方のルールでは認識しないもの。これを永久差異と呼びます。
今回は具体的なGAP項目に関しては多岐にわたるため割愛します。
外資系企業の経理財務部門はこの3つ(場合によっては4つ)のパラレルワールドのGAPを正しく理解し、日々仕分け業務をしたり、経営陣や営業に数値報告を行う必用があります。ですが、私が思うにこの3つのGAPを正しく理解している経理財務部員はごく一部でしょう。特に税務申告業務をやっているのは通常専任の部隊ですから日本の税法を正しく理解しているのは恐らくその部隊のみ。
今後経理財務部門がFinancial planning & Analysis(FP&A)として将来数値を算出し提供する際には、それぞれのパラレルワールドのGAPを理解していないと正しい数値計算はできません。また、US GAAPやJAPAN GAAPのそれぞれ損益計算において、税法との差異が分かっていないと正しい税金費用の計算(税効果会計)ができません。場合によっては多大に将来数値の計算を間違ってしまい、経営陣の判断に影響を与える場合もありますのでご注意!
JAPAN GAAPとJAPAN TAX(損金、益金)のつながりを理解するのにはこちらが最適。会計視点から簡単に税法の損金、益金のしくみが理解できます。
FP&Aが将来有望な理由はこちら。
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稼ぐ経理財務になるために必要な能力はこれだ!
稼ぐ経理財務”パフォーマンス・アクセラレーター”の実態について以下ブログでお話しをしましたが、今回は”パフォーマンス・アクセラレーター”に進化するために必要な3つの能力について話をします。
その前に、”パフォーマンス・アクセラレーター”がどういった業務で高い付加価値を提供しているかを見てみましょう。
・収益性/経済情勢分析
・販売価格の決定・価格戦略
・需要計画、予測
・製品/ビジネスの開発
・合併買収(M&A)の分析
では、まず一つ目に必要な能力は言わずもがな、ビジネスマインド!
従来の経理財務は帳簿の正確性を追求するのが一番の目的化しいて、儲けることは営業の仕事でしょ!と無関心でした。
このマインドを180度変えて、儲けを徹底的に追及すビジネスマインドを持つことが重要となります。これが推進力となります。
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次に必要なのは、戦略的思考です。
営業戦略や経営戦略の理解とそれに沿った未来の数字の提供が求められます。
戦略とは、会社や個々の営業のそれぞれの実行目標(ゴール)に対して今の現在位置を正確に把握し、そのギャップを埋めるための最適なアプローチのことです。
顧客の変化、会社を取り巻く環境の変化、もろもろで戦略は常に変更を求められます。
経理財務部門は従来確定した過去の数字をベースに物事を考えてました。ですが、これから提供しようとしている未来の数字は戦略の変化と共に変化し続けていきます。
戦略的思考を持つことは過去思考からの脱却、未来志向への変化とも言えます
戦略的思考のお勧め書籍はこちら。読み進めていく中で、”パフォーマンス・アクセラレーター”の具体的な業務イメージが湧いて来ます。
最後に、アナリティクス!
聞きなれない言葉かもしれませんが、アナリティクスとは事実データを使って利益最大化のための様々なバリュードライバーを導き出し、そのドライバーを変化させるシナリオに基づき将来の数字を算出することです。
具体例としては、過去のデータから顧客への販売奨励金と売上への相関関係といつ投入すると売上を最大化できるかを導き出します。
今期残り売上が不振に陥っている場合に、いついくら販売奨励金を投入すれば予算を達成できるかを割りだし実行することができます。
アナリティクスの活用例をもっと知りたい方はこちらをチェック!
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人に自慢したくなる暗算術。暗算が苦手な経理財務部員は恥かく前にこれ読んで得意になろう!
経理財務部門は計算が得意なはず。暗算が得意なはず!
という印象は一般的にありますね。
で、実態は?
暗算苦手な経理財務部員は多い!
暗算が得意な人は経理財務部門の中でも一握りではないでしょうか。やっぱりそろばんを昔やっていた人は強い!
一方で、電卓や加算器、エクセルを使って計算するのは皆さん得意です。ブラインドタッチでバシバシ打って日々計算してますから。記帳に関する数字の計算はもちろん暗算では絶対にやりません。間違えるととんでもないことなので。結果、電卓やエクセルに頼りきってるので暗算苦手になっていくんですね。
でも、やっぱり経理財務部の人達は暗算を強化すべきと思う理由を挙げました。
- 計算が必要な場面で営業よりも経理財務の方がぱっとできないと恰好悪い!
- 計算が得意なはずという固定観念があるため、あれ?この人数字に弱い??って思われると信用に関わる。
- これからの経理財務はFinancial planning & Analysisに移行していくと、営業相手や経営陣相手に色んな場面で数字に対して話をする機会が増える。立ち話の場面も当然ある。その場で瞬時に計算してアドバイスする必要がある。電卓持ってくるからちょっと待ってなんて言ってられない。
計算力の強化は経理財務の人にとっては今後更に重要になってくると考えます。
今回お勧めしたいのがこちら。「暗算の達人」です。
”アメリカで最高の数学天才”と呼ばれるアーサー・ベンジャミンの名著。
ひっ算でしかやれない以下のような計算を暗算でできるようになります。ほんの一例です。この計算テクニックついつい人にも自慢したくなります。マジックの種明かしのようなノリ。
- 25✖11=?
- 99✖99=?
- 538+327=?
- 作者: アーサー・ベンジャミン,マイケル・シェルマー,岩谷宏
- 出版社/メーカー: ソフトバンク クリエイティブ
- 発売日: 2007/02/28
- メディア: 単行本
- 購入: 19人 クリック: 268回
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以前にお話しした行動経済経済学で言うところの思考の自動化(システム2からシステム1へのシフト)を目指しましょう!思考の自動化についてはこちらをチェック!
中学生にお金儲けについてプレゼンしたら逆に学んだ3つのこと
今回中学生のキャリア教育を応援しようということで会社に中学生を半日受け入れていくつかのセッションを実施した。
その一つとして「お金儲け」についてのセッションを受け持つことになりました。
お金儲けに絡めつつも「働く」ということについて伝えたいメッセージはこの3つ!
- 世の中の職業や仕事(起業家、自営、会社員、公務員、投資家など)の説明とそれぞれの稼ぎ方。
- 稼いだお金を自分に投資して、自分の価値を高めたらまた稼ぎが大きくなる!ビジネスを大きくする仕組みと同じだよ。勉強や経験は最高の自己投資。社会人はお金を払ってでも勉強し続けているってこと。
- お金稼ぎだけじゃなくて、私たちが今の働き方を選んだのにはいろんな理由があるってこと。
社会人になって始めて気づいたことを学生達にできるだけ伝えたい!お節介心で盛り込み過ぎたプレゼンになってしまい、結果中学生は少し胃もたれ気味でした。ごめんm(_ _)m
今回、私自身が勉強になったこと、気づいたことはこちら。
会計に頭が毒されてしまっている!
中学生にビジネスの仕組みやお金に関するルールを説明した際、ついつい負債、資本金、利息等、会計用語が口から出て来てしまう。それを会計用語を使わずに上手く説明するのに汗をかきました。完全に会計に頭が毒されてしまってることを認識。会計用語を使わずに会計のコンセプトを伝える技術は、高度!営業等の経理財務以外の人とコミュニケーションする上では大事なスキルでもあると改めて思った次第。
「価値を提供してお金を稼ぐこと」といったコンセプトや考え方は抽象的。具体例がないと全く伝わらない!
分かってる者同士でビジネスのコンセプトや考え方を話した場合、多少抽象的でも話は伝わるもの。今回、中学生には具体例を入れて説明しないと伝わりませんでした。一般的にもコンセプトや考え方の話をする場合、具体例はとても大事ということを認識。
プレゼンはビジュアルが文章よりも大事!
言いたいことばかりをずら~っと書いたプレゼンは、きっと分かり辛かったと思う。頑なに見た目じゃなくて中身が大事と思っていました。だけど、実際文字ぱかりのプレゼンを見た瞬間に中学生の興味が薄れていったのを感じてしまいました。逆に文字は無くしてビジュアルにこだわった方が伝わったかも。
という感じで中学生の素直な反応から自分自身今後の仕事にも活かせる点を色々学べる機会となりました。
キャリア教育って自分たちの頃には無かったけど改めて良い制度だなと思いました。
経理財務業務は10年後に無くなる!?経理財務畑で生き残るにはここを狙え!
以下はアメリカ労働省のデータに基づいて、今から10年後に702職種が人工知能に置き換えられるかどうかを90%の確率で試算した結果に基づくものです。
これによると経理業務は人工知能に変わられる仕事となっており、私も含め経理財務業務に携わっている方にはショッキングな結果ではないでしょうか。
ここで言う経理業務とは具体的には、以下の2の業務です。1と3に関しても特定ルールに基づくものであれば人工知能にとってかわられる可能性は高いと言えるでしょう。
経理財務部門の守備範囲まとめ
1. Risk control - リスクコントロール、マネージメント(例:為替や商品ポジションエクスポージャー管理)
2. Shared services activities - 月次、年次等経理締め業務、連結業務、レポーティング業務、入出金業務
3. Compliance - 監査、税務調査対応、税務申告、他法令順守のための業務
4. Financial planning & Analysis - ビジネス状況分析、改善や将来業績予想、投資時の財務デューデリも含む、、利益改善やバランスシートの改善に注力する
結果、4のFinancial planning & Analysis(FP&A) が間違いなく10年後も残る仕事となります。高いレベルのビジネス洞察力が必要となるため営業職や営業コンサルタントと同様、人でなければできない仕事です。
経理財務畑で生き残るためには、FP&Aを目指しましょう!FP&Aを有する経理財務部門は現段階で非常に希少であり、”パフォーマンス・アクセラレーター”と呼ばれます。
パフォーマンス・アクセラレーターに関する詳細はこちらをチェック!
インドへの経理財務アウトソーシングで直面した3つの問題。さくっと解決して付加価値の高い業務にシフトしよう!
日系企業も含めグローバルの企業がそれぞれの国々の経理財務業務をインドのシェアードサービスセンターに移管(インソーシング)、もしくは現地企業へのアウトソーシング化を加速させています。これがグローバルなトレンドとなっています。
安価で豊富な労働力、高い教育水準と英語、それからIT技術が揃った国や都市が人気です。例えば、インドのバンガロール。インドのシリコンバレーとも呼ばれITが発達しています。
インソーシングもしくはアウトソーシングするメリットは、主に以下の3つ。
- 人件費のコスト削減
- 集約化させることにより業務の標準化を図り、無駄が省け、業務効率化が狙える
- グローバルのベストプラックティスを導入することで長期的に業務の質が向上できる
のはずが、、、結果的に多数の企業が上手くいっていない。
私の所属するグローバル企業も最近インドへのインソーシングを進めています。今回体験してみて直面した問題とその根本的な理由、そして上手くいった解決策を挙げてみました。
業務移管してコスト削減をするつもりが、ほぼコストは変わらず日本側の時間も業務を出す前と出した後で変化が無い。
理由1:いざ業務をやらせてみると日本人スタッフと同じレベル(質とスピード)でやるのはとても無理。また、見積もりの時点で日本側のサービス残業時間までカウントしていなかったため、結果的に日本の1.5~2倍の人員がインド側で必要となった。
反省点:1つの業務に対するヘッドカウントのみでなく1つの業務に対してどれぐらいの時間をかけているかの見積もりが重要。残業はきちんと把握してカウントしておくように!
理由2:引き継ぎ書の作成、Face to Faceの引継ぎ、そしてテスト期間のパフォーマンスレビューまで日本側が親身になってやりすぎた結果、インドスタッフの日本チームへの依存心が強くなりすぎた。
理由3:日本側がそもそも業務への理解が足りておらず、問題が起こった時に原因究明と解決策の提示に時間がかかる。なんともお粗末な話ですがよくあることです。。。
2&3の解決策:テスト期間が終わり本番稼働後からはインドスタッフが自分の業務をセルフチェックできるようセルフチェックリストの策定を行う。日本側はそれぞれのチェック項目にチェックが入っている事実のみ毎回確認する。時にはチェックリストの通り現地がきちんとチェックできるかを確認することも大事かもしれませんが、毎回それをやっていては結局日本側の業務時間が減らないのでほどほどにしましょう。
また、問題が起こる度にセルフチェックリストのチェック項目を充実させていくようインドスタッフを指導して、自分で解決するマインドが育つようにしましょう。
業務の質とスピードが低下してしまった。インド側で間違いが頻発する。
理由1:引継ぎ内容の不備や、インドスタッフの理解不足。
解決策:ここでも上記のセルフチェックリストが役立ちます。日本人だったらこうやってミスを防ぐはずといった思い込みはやめてチェックリストのようにはっきりとした形で共有できるようにしましょう。
また、間違いを指摘して厳しいことを言うばかりだとインドスタッフのモチベーションは下がる一方です。更にFace to Faceではなく、電話でのリモートのコミュニケーションだと尚更です。1か月に最低一度はインドチームとパフォーマンスや改善点について「前向きに」話し合うための電話会議をしてガス抜きをすることをお勧めします!
理由2:業務のスピードが落ちたのは業務の優先順位がお互いにシェアできてないからかも。インドでやるA業務は日本のB業務につながる仕事なのでA業務は特に優先すべきという理解がきちんとシェアできてないということもありました。
解決策:インドチームの業務と日本チームの業務の繋がりとそれぞれの業務の締め切りをしっかりとお互いに認識することが大事です。特に月次の締めの時は、一日の中で細かく業務の締め切り時間を設けることも重要になります。
引継ぎのために日本語堪能な通訳を雇ったが引継ぎがスムーズに進まない。
理由:経理財務業務に通じていない単に日本語能力が高いだけの通訳は、日本語を英語に直訳することはできますが、結局業務そのものの理解ができていないと引き継ぎ書が意味不明なものになってしまいます。結局私が通訳に入って応急処置をするはめになりました。トホホ。
細かい話をすると他にもいろいろな問題がありましたが、特に大事と思った部分について紹介しました。
海外への経理財務業務のアウトソーシングはグローバルなトレンドです。これをどう上手く乗り越えて、空けた時間や浮いたコストをFinancial planning & Analysisのようなより付加価値の高い業務に注ぐことができるかがグローバル企業の課題です!
アウトソーシングプロジェクトの進め方について詳しく知りたい方はこちらお勧めです!