経理財務のためのデータ分析のすすめ!
前回はボストンコンサルティンググループ(BCG)が戦略思考を武器に、どのように百戦錬磨のクライアントにも価値を提供することができるかを見てきました。
BCGのアウトプットまでの流れとは、
戦略思考を基にした仮説 ⇒ データを分析 ⇒ 問題解決策の提案
今週は、このにデータ分析について見ていきたいと思います。
まず紹介したいのが、こちらの「経理のExcel強化書」。
「Excel強化書」と言いつつ、単なるExcelの解説書ではございません。
What-If分析や重回帰分析等、データ分析のためのテーマ10つを在庫分析や最適な商品推薦等、身近なビジネス分析の実例に沿って紹介。そして、それをExcelでどうやって作り出すかを説明しています。
データ分析のパターンを経理周りの実例に沿って解説していますので読み進める中で自社ではどういった分析に使えるかの具体的なイメージが次々湧いて来ます。
今回はその10パターンの内、2つのデータ分析手法を紹介します。
- 視覚を基にした直感的なデータ分析:バブルチャート
- 相関関係を基にした将来予測:単回帰分析、重回帰分析
【バブルチャート】
バブルチャートは、偏在庫を視覚化して特定するのに有効です。
偏在庫とは、本来あるべき在庫量より多すぎる、または、少なすぎる在庫のこと。
在庫量は、売上の大きな商品は多く、売上の小さい商品は少なくなっていることが適正とされています。つまり、在庫量は売上との間に正の相関関係が成り立っています。
そこから外れているものが偏在庫(問題有在庫)ですのでそれを目で直感的に特定できます。
縦軸に在庫高、横軸に売上高、バブルの大きさに在庫期間を設定します。
バブルチャートは、3つのデータの相関関係を視覚的にとらえることができます!
【単回帰分析・重回帰分析】
「回帰分析」とは、原因となる値と結果となる値の関連性(相関関係)を、統計的手法を用いて調べる方法です。原因となる値を1つに限定する場合が、単回帰分析。2つ以上とする場合が重回帰分析と呼びます。
例えば、月ごとの平均気温と缶コーヒーの販売数量に相関関係がある場合には、気温から販売数量を予測するモデルを作ることができます。これが単回帰分析を使った、将来予測モデルです。
また、売上と人件費と広告宣伝費とに相関関係がある場合には、将来の売上を人件費と広告宣伝費から予測することができます。これが重回帰分析です。
以前、Integrated Business Planning(世界最高峰の経営プロセス)について触れましたが、Supply、Demand、Productに分かれ将来の数値予測を行います。具体的には、それぞれのCategoryの結果(Output)にもっとも相関関係の高いAssumption(Input)を設定し、回帰分析を使って初めて将来予測を行うことができます。
今回は直感をより生かした分析手法及び将来予測モデルについて紹介しました。
データ分析はつまり過去を基に将来予測をして初めて価値を生み出します。
身近な例で実践を重ねることで使えるツールとなってきます!