グローバル企業がこぞって導入している最先端の経営プロセスとファイナンスの活躍ポイントを解説!
皆さんはIBPってご存知ですか?
IBPとはIntegrated Business Planningの略。Oliver Wight社が開発、推奨する経営プロセスのことです。
Oliver Wight EAME LLP - What is Integrated Business Planning
世界のスタンダードモデルとしてコカ・コーラ社を始め多数のグローバル企業が導入、実践しています。
今後もIBPの導入、実践を進めていく会社が増えていくことが予測されることから、Finance部門の人間として様々なチャンスが期待できます。
今回はIBPの仕組みとFinanceの人間として具体的な活躍ポイントを紹介したいと思います。
まずはIBPの仕組みを簡単に紹介します。
第一にIBPが他の経営プロセスと一線を画すポイントは24カ月先のビジネスプランニング(数値計算)を行い、経営アクションを取っていくことです。
中期的な予測となりますのでその精度は以下のそれぞれの分野において個別に予測を行うことで担保されます。
- Demand(デマンドマネジメント):市場、業界、顧客のデマンドを予測
- Supply(サプライマネジメント):サプライヤーの供給力予測、調達国(地域)の輸出動向等
- Product(プロダクト、ポートフォリオマネジメント):商品ライフサイクルの予測等
- Integrated reconciliation(統合マネジメント):上記それぞれのプランの統合、調整、経営陣への数値報告等
上記それぞれの分野の予測を行うに当たり、数値化できるAssumption(仮定)を設定します。例えば、顧客デマンドのAssumptionは顧客の中長期プラン(5年後に米国での売上何倍増計画)。Supplyは調達国のFTA(関税ゼロ)の見通し等。
毎月、Assumptionの数値を更新し、新しい前提に基づいたプランニングとアクションを決定、実行します。
また、上記それぞれの分野のKPI(Key performance factor)を設定し、実績を検証していくことでビジネスの正確な状態を把握します。そして、各Assumptionの重要度と正確性を検証することができます。
では次に、Finance(経理・財務)の活躍場所を具体的に見てみましょう。
IBPの導入では次のポイントでFinanceの活躍が期待できます。
- それぞれの分野でのAssumptionの選定(Assumptionと実績との相関性の計算)
- Assumptionをベースとした24カ月先の予測数値の計算式設定
- それぞれの分野でのKey peformance factorの選定
また、実践フェーズの活躍ポイントは以下の通りです。
- それぞれの分野の予測数値を統合した上での財務予測数値の計算、シナリオ分析
- 将来予測に対して資金ニーズの算定と検証
- Assumptionの重要性と精度の評価、見直し
- KPIの実績計算
上記Financeの活躍ポイントはまさにFP&A(Financial planning & analysis)の業務とマッチしますね。FP&Aの業務とビジネスへのインタフェースのイメージがぐっと沸いたのではないでしょうか。