付加価値を生み出す経理財務になるためのデータ分析のすすめ~まじで凄いマーケティング実用書はこれだ!
前回に続き今回もデータ分析を中心に書いていきます。
前回は「バブルチャート」等の具体的なデータ分析の手法を紹介しましたが、そもそも
”戦略思考を基にした仮説”から”データ分析”にどうやってつなげれば良いかわからん!という方のために具体的なプロセスを解説していきます。
そんな痒いところに手が届くように分かりやすく説明してくれているのがこちらの「数学思考力×EXCELでマーケティングの成果を上げる本」。
筆者の植山さん(外資系マーケター)はデータ分析を行う前にまずは 数学思考力を使って物事を論理的に分解することが必要と言います。
例えば、ラーメン屋が売上を今現在よりも30%上げたいとした目標があった場合、いきなり過去の売上トレンドを比較しても何をどうしたら目標を達成できるかは見えてきません。
まずは以下のように数学思考力を使い売上を分解し構成要素(変数)を特定するところから始めます。
ラーメン店の売り上げ=1日の客数 × 平均購買単価 × 営業日数
1日の客数=席数×回転率(=営業時間×1席で1時間当たり何人処理できるか)
1日の客数=営業時間内で1日にお店の前を通るであろう人数 ×
立ち止まってくれる確率 × 入店率 × 購買率
上記の変数の中で適切な(コントロール可能な)変数を特定するためにデータ分析を行います。
データ分析の切り口としては大きく分けて3つあります。
1.トレンド分析:分析対象が時系列でどのように変化してきたかを見ることでその原因を探すことができます。
2.相関分析:2つの要素間に関係性があるのか、またそれはどれぐらいの関係性かを確認するもの。
3.マトリクス分析:X軸とY軸にそれぞれ切り口の違う座標を設定して物事を整理する分析手法。新しい気づきを導き出したいときや物事の優先順序をつけるときに使われます。
また、本書では上記分析を行うにあたっての具体的なEXCEL操作やマーケティングのフレームワークの考え方まで非常に分かりやすく実務家の目線で説明しています。
書店では概念重視のマーケティング本ばかりが目に付く中、ここまで手を動かす実務家の目線に立って、数学的思考法から具体的分析手法、エクセル操作まで説明している本は他に見当たりません。
この1冊でマーケティングの概念から実務まで網羅している凄い本です。是非手に取って読んでみてください。